「訪問介護」気を付けたい高齢者のタンパク質不足

低栄養
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訪問介護でいろんな利用者様に接すると、高齢者の食事が心配になります。
多くの場合、ご飯、みそ汁、つくだ煮で済ませる人が多いのです。

また、食事は1日2食という方も複数、おられます。

食事回数、食事品目が少なくなれば、摂取量減少、低栄養になってしまい、筋力低下や脳梗塞の増加、認知症になりやすいなどのさまざまな影響がでることがわかってきたようです。

高齢化社会で需要増加

この記事を書いているのは

介護の仕事を始めて20年の介護福祉士スミレです。

有料老人ホームで10年間認知症の方の見守り、

訪問介護で10年、現在もホームヘルパーを続けています。

その経験から、介護に関して感じたことを投稿しています。

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一人暮らし高齢者の食事

主人が亡くなって一人暮らしになったから、買い物や調理がおっくうになり、食事はあるもので同じものばかり食べている。

肉を食べないから、体重が減って39㌔になっちゃった。

だから肉を食べたい。
でも、歯が悪いから柔らかく調理した肉料理を食べたい。

お腹が空かない。食べたくない。

たんぱく質が不足するとどうなる

タンパク質が不足すると、

・高齢者は筋肉が衰えフレイルに陥りやすくなる。

・体を守る機能が低下する。

運動・認知機能が低下しやすくなる。

筋力が落ち、骨が弱くなり転倒や骨折を起こしやすくなる。

平成28年国民健康・栄養調査の結果によると、

65歳以上の高齢者の低栄養傾向の人の割合は17.8%で、
およそ高齢者6人に1人が低栄養状態

引用:厚生労働省

フレイルとは?

フレイルは、「健康」と「要介護」の中間の段階です。

厚生労働省が発表したガイドラインでは、

“加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態”

疲れやすくなった

食欲がわかなくなった

何事もやる気がおきない

好きだった趣味もできなくなった

このような発言をする方は、このままにしていると、待っているのは「要介護」

そうならないように、食事から考えたいですね。

フレイルを予防するには?

・バランスのとれた食事を3食しっかりとる。
(積極的に摂取したい栄養素は主にたんぱく質ビタミンDカルシウム

・運動・・・ウオーキングやストレッチ

・社会参加・・・趣味やボランティア活動など

訪問介護の調理で心がけたいこと

訪問介護では、材料が豊富にないことが多いので、毎回栄養バランス良い食事を提供することが難しい場合がありますが、卵一個多く、チーズを添えるとか心がけたいと思います。

利用者様によっては、毎日3食調理をする場合もありますので、買い物の時点から、栄養バランスを考えたいと思います。

・動物性たんぱく質を十分に摂取することが必要なので、
魚と肉の摂取は1:1程度の割合にする。

・肉は、さまざまな種類を摂取し、偏らないようにする。

・油脂類の摂取が不足にならないように注意する。

・牛乳は、毎日200ml以上飲むように勧める。

・野菜は、緑黄色野菜、根野菜など豊富な種類を調理する。
生野菜は食べにくく量も摂れないので、加熱して調理し摂取量を確保する。

食品別タンパク質含有量

どんな食品をどれくらい食べれば、タンパク質を摂れるか調べてみました。

厚生労働省で推奨しているのは

タンパク質不足にならないために、

・65歳以上の男性では1日に60g、

・成人女性は1日に50gのタンパク質を摂取すること。

一日に50g、60gのタンパク質を摂るといっても、一つの食品からだけ摂るわけにはいきません。

例えば豚ロースを100g食べても、19.3gのタンパク質の摂取です。

高齢者で100gの豚ロースを食べることは難しいですよね。

イワシ丸干しや鶏ささみ、プロセスチーズ、ヨーグルト、大豆製品、豆乳など

幅広い食材でタンパク質を摂取してフレイルを予防したいですね。