訪問先の利用者様から
「最近、 物忘れ が ひどいので、認知症になるのかしら?と心配!」
また、近所の、何人かの80代くらいの方から
「物忘れがひどくなったんだけど、認知症になるのかしら?」と心配されている声をよく聞かれます。
また、遠距離介護をしている娘さんからも
「認知症ではないと思いますが、最近、忘れっぽいんです。」
「訪問介護で入ったときに、冷蔵庫の中を点検して、賞味期限切れや悪くなっている野菜がないか点検してください」と依頼されます。
買い物に行って、同じものばかり何回も買ってきて、
冷蔵庫の中をみると、カット野菜の袋が5つ。ハムも多量。
ご本人は「どうしてこんなに買ってきちゃうのかしら?主人の食事の用意していたときは、野菜サラダやハムを出していたけど、私は食べないのよね。」
ご主人は半年前に亡くなられたのですが、今までの習慣で買い物してしまうようでした。
認知症の心配は?認知症予備軍(MCI)(軽度の認知障害)とは?
高齢になると認知症を心配する人が増えますね。
ここでは、認知症とその前の段階の、認知症予備軍(MCI)(軽度の認知障害)について調べました。
認知症予備軍(MCI)は、認知症ではないけれど、健康な状態でもない。
認知症と健康な状態と中間のような状態です。
厚生労働省ではMCIを以下のように定義しています。
軽度認知障害(MCI)について
• 正常と認知症の中間の状態。
• 物忘れはあるが、日常生活に支障がない。
• 年間10~30%が認知症に進行する。
(正常な方からは年1~2%が認知症発症)• 一方、正常なレベルに回復する人もいる。
(5年後に38.5%が正常化したという報告あり)• 認知症治療薬の効果はないとする研究が多い
引用:厚生労働省老健局
認知症ではなく、認知症予備軍(MCI)(軽度の認知障害)かもしれないということもあります。
「認知症かもしれないけど、どこで検査してもらえばいいかわからない」と高齢者やその家族が悩んでいるようです。
そのようなときは、まず「物忘れ外来」へ行きましょう。
「物忘れ外来」とは?
「物忘れ外来」は主に大きな総合病院に併設されており、神経内科や精神科の医師が担当することが多いです。
「物忘れ外来」とは、
・老化に伴う正常な「物忘れ」と
・「認知症」を区別し、
認知症を早期発見・治療するための外来です。
認知症予備軍(MCI)(軽度の認知障害)は治療できるの?
認知症予備軍(MCI)(軽度の認知障害)になったからと言って必ずしも認知症になるとは限りません。
MCIから認知症へ進行する人の割合は1年に5%~15%/年程度と言われているそうです。
認知症予備軍(MCI)は、認知機能低下に対処することで、症状の進行をとめたり、健常な状態に戻るケースもあるのです。
認知症を予防するは、MCIの段階で対応が必要!
<MCIの心配がある場合>
・記憶力の低下など認知機能が低下してきたと自分で感じる。
・日常生活では、身の回りことは自分でできる。
・認知機能の低下はあるが、認知症と診断される状態ではない。
MCIを放置すると、認知機能はどんどん低下して認知症へ進行する人も増えてきます。
MCIの状態であれば、完治や認知症の予防が可能なので、物忘れなど気になることが出てきたら、まず、医師に相談して早めに治療を始めましょう。
認知症を予防するためには、生活習慣の見直しから!
・食習慣を見直し
・定期的な運動習慣
・十分な睡眠をとる
これらで脳の状態を良好に保つことに、努力をしましょう。
さらに
・積極的に社交の場でコミュニケーションをとる。
・頭を使って行動することを心がける。
このようにして、認知機能の改善や維持をしていきましょう。