80代夫婦のお宅に家事援助で訪問していましたが、ご主人は危ない足取りながら毎日近くのスーパーへ買い物に行くのが日課で、奥さんは家から出ないという生活でした。
でも、突然ご主人が亡くなり、残されたAさんは少し認知症の症状があるので、「お父さんの夕ご飯を作らなきゃ」と毎日言う状態です。
ご主人が亡くなってから、毎日入れ替わりでヘルパーが入っているのですが、「お風呂に入りましょう」といってもなかなか入らなかったそうです。
自宅のお風呂を沸かすことは、今まで、いつもご主人がやっていたようで、
今日、私に

「お風呂のスイッチをどうやって押せばいいのかわからない」
というのです。
「じゃあお風呂の沸かし方を教えてあげるから、今日お風呂に入りましょう」というと
「お願いします」と入ることになりました。

「裸になるの恥ずかしい。あんたも一緒に入るんでしょう」
脱衣所でこのようにいうので「私はAさんの背中を流す係よ」というと納得して浴槽に入りゆっくり湯船に浸かりました。
背中を流すと「申し訳ないねー 気持ちいい」と喜んでいました。
お風呂から上がって「すごーく久しぶりにお風呂に入れて気持ちよかった」
「今度からあんたが来たときは安心して、お風呂に入るね」
このことから感じたことは、「お風呂に入りましょう」とばかり言うのは問題解決にならないと思いました。
介護の根底には「信頼」ということがないと、入浴なんてできないのですね。
まず、利用者様が信頼してくれるような人間関係ができるようにするのが、第一歩です。
利用者様が、お風呂に入れない理由があることを把握して信頼関係を作り、問題解決していきたい。
Aさんの場合は、
・お風呂の沸かし方がわからない。
・人前で服を脱ぐのが恥ずかしい。
という理由がありました。
それを、本人が納得するようにしてあげれば、お風呂にも入れるのですね。
施設で仕事をしていたときも、入浴拒否の人が何人かいました。
入浴担当の職員が無理に入れようとしても、頑として入らない。
今週もお風呂に入れなかった・・・ということが続いていたのです。
でも、ある職員が上手に話をして入浴できた!ということがありました。
やはり信頼関係を積み上げることが第一歩です。

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